連続小説「プロ子の野望」
【前回のあらすじ】 何もない自分の現実を突きつけられた就職活動中のフロ子。泣きはらした翌日、フロ子は大学の就職支援センターの松宮の前に再び座っていた。 「その腫らした目でよくお越しくださいましたね。ただ、就職の面接では印象悪いですが…」 嫌味…
【プロ子の野望 第十七話】 【前回のあらすじ】 就職活動中のフロ子は大学の就職支援センターの松宮の言葉から逃げるように帰宅する… 自宅に戻るなり、まっさらのゴミ袋を引っ張り出してきたフロ子は、家の中の目につくものを袋に放り込みはじめた。 『大事…
【前回のあらすじ】就職活動中のフロ子は大学の就職支援センターの松宮から現実に引き戻される言葉を受けて… 大学の就職支援センターを出て、一人暮らしの部屋に向かうフロ子には、目に映る風景がまるで映画のワンシーンのように見えていた。 幼い子どもの手…
【前回のあらすじ】就職活動中のフロ子は大学の就職支援センターで相談すると担当の松宮から「安っぽい」と一蹴される… 「アナタが大学生活を通じて学んできたことは、そんなに安っぽい言葉で説明できてしまうものなのですか? 『働くことをもっとシンプルに…
【前回のあらすじ】就職活動中のフロ子は「働くためのもっともらしい理由」を自分が探していたことに気が付いて…。 翌日、フロ子は大学の就職支援センターへ向かった。「就職についてご相談したいことがあるんですが、お話を聞いていただけませんか?」 窓口…
【前回のあらすじ】就職活動中のフロ子は「働くやり甲斐」を探していた。母親に訪ねると「ビールが働く生き甲斐」との答えが返ってきて… 母との電話を切ったあと、フロ子は再びユニットバスに向かった。 蛇口をいっぱいまで回すと、ドドドドドとお湯が勢い良…
【前回のあらすじ】就職活動中のフロ子は「働くやり甲斐」を求め答えを探し、苦手にしていた母親に電話をかける… 就職活動中であること、働き甲斐に関して疑問を感じていること、その答えを探していること。フロ子ができるだけ簡潔に自分の状況を伝えている…
【前回のあらすじ】就職活動中のフロ子はある会社の説明会で疑問を感じる。答えを探し人財プロオフィサーの大林の過去と現在の夢に触れるが… 大林と別れ自宅に帰ると、話を聞いていただけのハズなのにぐったり疲れていた。バスタブにお湯を張る元気もなく、…
【前回のあらすじ】 就職活動中のフロ子はある会社の説明会で疑問を感じ答えを探して人財プロオフィサーの大林と珈琲店で話すことに… 「私には夢がありました」 大林はふぅと息を吐いた後、とても落ち着いた口調で言った。 「夢…ですか?」 フロ子にとって『…
【前回のあらすじ】 就職活動中のフロ子はある会社の説明会で疑問を感じ答えを探して人財プロオフィサーの大林と珈琲店で落ち合った。 「私は…」大林はそう言ってしばらく黙ってしまった。フロ子は続きを早く聞きたい衝動を抑え、黙って次の言葉を待った。 …
【前回のあらずじ】 就職活動中のフロ子はある会社の説明会で疑問を感じる。その疑問の答えを探すべく人財プロオフィサーの大林と珈琲店で待ち合わせた。 窓際に座ったフロ子たちが注文を終えると、外では強い夕立が降り始めた。駅の改札口には人があふれ、…
【前回のあらずじ】 就職活動中のフロ子は人財プロオフィサーの大林との出会いをキッカケに積極的になったが、他社の会社説明会で迷いを感じる。気が付くとフロ子は大林に電話をかけていた… 「もしもし人財プロオフィサーです」「私…就職活動中の大学生で…御…
【前回のあらすじ】 人財プロオフィサーの面接を機に積極的になった女子大生フロ子は就職説明会で担当者から大人のあしらいを受け… 就職説明会の帰り道、フロ子は河川敷によった。 何かあると必ず立ち寄っていたここからの景色は、何も変わらない。毎回変わ…
【前回のあらすじ】 人財プロオフィサーの面接を機に積極的になった女子大生フロ子は積極的に就職活動をはじめたが… 「何か質問のある方はいらっしゃいますか?」 大方の説明を終えた担当者が会場を見回しながら尋ねると、フロ子はすぐさま手を上げた。 どう…
【前回のあらすじ】 人財プロオフィサーの会社説明会で何かが弾けた女子大生フロ子は説明会を終えて… 帰り道も大林さんの言葉がフロ子の頭にこだましていた。 「人生の長い時間を費やす仕事…」 「働くとは何か…」 簡単に答えられる問いではないとわかってい…
【前回のあらすじ】 『人と企業をつなぐ』人財プロオフィサーの会社説明会で咄嗟に自分であだ名をつけた女子大生フロ子の行方は… 人材プロオフィサーの大林さんは一瞬きょとんとした顔をしてから、にっこりとフロ子に微笑みかけた。「フロ子さん…いいあだ名…
【前回のあらすじ】 夢のない女子大生が就職活動で出会ったのは『人と企業をつなぐ仕事』人財プロオフィサー。期待と不安が交差する。 【第二話】 会社説明会の会場は意外にもこじんまりとしていた。 大きなテーブルの前に椅子が五個並んでいた。一番に到着…
ー将来の夢はなに? そう聞かれることが何よりも嫌いな子どもだった。夢を語らない子どもに大人たちは心底落胆したような顔をする。その度に思った。 「あなたは夢を叶えたの?」 しかし内気な彼女の口からそんな言葉が出るはずもなく、不満だけが積もった。…